大人のイジメかよ

このところの国営放送の会長の件、どうみてもイジメとしか見えないんだが。
某議員は国会の貴重な時間を使って、辞めろ、というけど、それはそれでおかしいと思わないのだろうか。
一連の流れを見ていると、要は自分たちの気に入らない奴は辞めて当然、自分たちの意見を汲み入れる人を添えろ、と言っているだけでは。

でもね、色んな意見を持ったマスコミがあっていいと思う訳で、そのほうが健全ではないんだろうかね。
例えば、朝日・毎日はこういう、でもNHKはこうだ、と真っ向から正反対の意見を戦わせる、そんなんでもいいはず。
ましてや個人の思想や信仰は憲法で保証されていること、それと会長職はまた別な訳で、職務上の問題を云々せず、思想が気に入らんから、と扣いているように見えるのだけど。
今回の元になった発言も、そもそもは個人的な意見をしつこく聞かれたから、あくまでも個人的な意見ですが、と断ってから言ったことを、喋らせてから、言ったよね、NHKの会長の意見として言ったよね、っていうちょっと卑怯なやり方で言質を取ったと聞いている。
もしそうなら酷い話だし、ある意味それは嵌めている訳で、それを延々と国会でまで答弁させて本来の会長職の邪魔をして、そこをさらに仕事していない、ってツッコんだら、それはイジメ、っていうんだよ。

確かに、個別にみればあまり品のある発言ではなかったけど、それと会長職の遂行になんの関係があるのか、と思う。
すくなくとも社会主義や共産主義のような独裁で物事が進む体制ではなくて、委員会制であり企業である以上、自分の思い通りの放送なんてそう簡単には出来ない体制のはず。
それを言ったらよほどナベツネの方が影響力もあるし、今まで色々実力行使してきたこともあったのでは？しかもまだその地位にいるんだからそっちの方が余程責められないまでも、疑問視してもよいことだと思うのだけど。
それからすればNHKの会長の地位や権限なんて脆弱なものだと思うよ。確かに過去、XX天皇とか揶揄される人物が猛威を振るったこともあったけど、でも、その時はそんなに問題にしなかったよね。もちろん、時代が違ってインターネットとかの別のソースや集合知なんてものがない時代だから成立したのだろうけど。

国会で審議することは他にも沢山あるのに、個人的な思い込みでマスコミのトップを辞めさせる、なんてのはそれこそ思想統制や悪しき事例を作ることじゃないかな。
母数の判らない統計や身内の意見でグダグダ時間を使わずに、もっと切れ味鋭いツッコミを入れるネタなんて一杯あるのに。

だから、大人のイジメにしか見えないんだよね。